おしらせ

『ファイト・クラブ』映画ネタバレあらすじ

あなたには人生を変えた映画があるだろうか。

私は2度の転機を迎えたとき、どちらにもこの映画があったことに気が付いた。

『ファイト・クラブ』(1999)

監督:デヴィッド・フィンチャー

脚本:ジム・ウールス

原作:チャック・パラニューク

出演:エドワード・ノートン、ブラッド・ピット、ヘレナ・ボナム=カーター、他

以下ネタバレ注意!!!

あらすじ~起~

僕は半年もの間、不眠症だった。

上司に命じられて行く出張のせいで起きたらいつも別の場所にいた。

不眠症の辛さを紛らわせたくて医者に薬を求めたが、「もっと苦しい人がいる。がん患者の会にでも顔を出してみると良い。」と医者は言った。

僕は「睾丸がん患者の会」に参加することにした。

参加者のひとりの太っちょで巨乳のボブ(ホルモンの作用で女性のような胸ができたとか)の胸のなかに顔をうずめて泣くことで、僕はその夜、赤子のように眠ることができた。

その日から僕は病気を装っていろいろな会に参加するのが日課になった。

あるとき、いつもの「睾丸がん患者の会」にマーラ・シンガーという女性がやってきた。

タバコをふかし、会の内容には興味なさげな彼女には睾丸なんてついていないのは明らかだった。

しかも彼女はここだけでなく、僕の行きつけの他の会にまで参加していて、どこに行っても顔を合わせてしまう始末。

僕と同じように見るからに病気じゃなさそうで、暇を潰しに会へやってくる彼女が次第に気になって、いつものようにひと思いに泣けなくなって、僕はまた眠れなくなってしまった。

ある日、僕は思い切ってマーラと接触し、曜日ごとに自分たちの「持ち場」を決めてお互い会わないようにしようと交渉を持ちかけた。

僕とマーラは互いの連絡先を交換し、交渉を成立させた。

僕は大手メーカーの自動車会社勤めで、車のリコールをするかしないか決めるのが仕事だった。

仕事も大手でお金もあり、プライベートでは北欧家具を買い集めたりと、順風満帆な人生だった。

毎週ごとに、ロス、シアトル、シスコ、ボルチモア、、、各地を飛び回り、車のリコールをした。

ある日の飛行機内で、隣の席の男が自分と同じ型のカバンを持っていることに気が付く。

男の名はタイラー・ダーデン、カバンの中は売り物の石鹸でびっしりだ。

タイラーは見知らぬ僕に「家のなかのものだけで爆弾をつくることだってできる」そう言ってのけた。

自宅の高層マンションにたどり着いたらエントランス前は消防車と野次馬でいっぱいだった。

マンションの一室が爆発し、爆風に吹き飛ばされた家具の残骸が地上に転がっていた。紛れもなく、僕のコレクションの北欧家具だった。

放心状態の僕は飛行機で受け取ったタイラーの名刺を取り出し電話をかけて、タイラーに頼ることにした。

あらすじ~承~

酒場でタイラーと酒をあおる僕。一級品を揃えてたのに、全部パーになってしまったとうなだれる。

タイラーは「消費文明の世の中で、あんたはモノに支配されてる。パーフェクトじゃなく自然に生きればいい。」と迷いなく言ってのけた。

酒場を出た僕にタイラーは「おれを殴ってくれ」と言う。

躊躇する僕だったが、殴り合いで本物の自分がわかると力説され、タイラーの耳を殴る。

腹を殴り返される。もう一度殴る。殴られる。殴る・・・

酒場の前で殴り合いが始まり、次第に見に来る輩が発生し、殴り合いは定期的なイベントになった。

殴り合いの血を洗い流しながら、僕とタイラーは語り合った。

自分たちは境遇が似通っている、例えば母子家庭だとか。

次のファイト(殴り合い)は土曜の夜だとか。

すっかり定例化されたこのクラブには毎週新しいルールが加えられた。

1.このクラブのことは口外するな

2.このクラブのことは、口外するな

3.力尽きたらストップ

など、8つのルールが作られた。

このクラブは名付けて「ファイトクラブ」だ。

古びた家に鳴り響く電話の受話器を取ると、相手はマーラだった。睡眠薬をひと瓶まるっと飲んだのだとか。

久しく会っていないし、もう関わる気もない僕。

その晩、マーラと交わる夢を見て、翌朝家の中でマーラに出くわした。

「ここで何を?僕の家になぜいるんだ?」

ショックを受けたような表情のマーラは「サイテー」と吐き捨てて家から飛び出していった。

その後起きてきたタイラーに事情を聞くと、彼が連れてきたらしい。

「マーラに俺のことを喋るなよ」タイラーは僕に念押ししてきた。

あらすじ〜転〜

ある日、タイラーと僕は痩身クリニックのゴミ捨て場に忍び込んでいた。今夜は石鹸作りの日だ。

廃棄された人間の脂肪はリッチでクリーミー。煮詰めてろ過し、かき混ぜグリセリンを掬い硝酸を加える。

タイラーは僕の手の甲に硝酸をかけて、逃げるなと押さえつけてくる。必死に痛みをこらえ、そして僕はどん底に一歩近づいた。

作った石鹸は1個20ドルで売れた。

僕は街なかでボブと再会する。ボブは小声でファイトクラブのことを口にする。どうやら彼もクラブに入っているらしい。

ボブと一戦交えるがボコボコにされた。

今夜もファイトを楽しんでいると、クラブの場所として借りていた地下室に酒場のオーナーがやってくる。

物騒なファイトクラブを隠れてやっていたのがバレたらしい。

タイラーはオーナーに狂気じみた対応で地下室の使用許可をもぎ取り、その場にいたクラブメンバーに宿題を出した。

「赤の他人にケンカを売って、負けてこい」

僕は会社に出勤すると、上司の部屋へ話をしにいった。

「社外コンサルタントにしてくれ」

勤務態度も何もかもが最悪な部下がそう言うものだから上司は僕の提案を却下した。

僕はすぐさま自分を殴った。悲鳴をあげ、やめてくれと叫びながら目の前で怯えている上司に殴られたフリをする。

おかげで1年分の給料と出社せず仕事ができる権利を手にすることができた。

僕は口調がどんどんタイラーに似ていくのを感じた。

次の週も、その次の週も、タイラーは新しい宿題を出すようになった。

人糞ロケットを打ち上げたり、サルの毛を剃ったり、免許証を奪ったり。

そして、ファイトクラブの支部を作っていった。

クラブの本拠地であるタイラーの家には毎日のようにクラブ加入の志願者が来るようになった。

3日間耐えたら家に迎え入れ、次第に家にはタイラー軍団が溢れかえった。

タイラーは『メイヘム計画』を作った。計画の唯一のルールは「何も尋ねるな」。メイヘム計画とは「地下から地上へ出るための計画」だと言う。

僕は相談くらいしろと、タイラーと口論になった。

タイラーは言った。「おれとおまえの頭を入れ替える」。同時に、運転していた車のハンドルから手を離して車を反対車線に出した。

「なぜアパートを爆破したと思う?」「あがくな」と言ったきり、車線を逸れた車は反対車線の車と正面衝突した。

車は横転し大事故を起こしたが、乗っていた僕とタイラーは生き延びた。僕は生のよろこびを噛みしめた。

翌日、タイラーはこつ然と消えた。家にはスペースモンキーと名乗るタイラー軍団だけがせっせと働いていて、質問は禁じられていた。

タイラーを探していた僕は引き出しに航空券のチケットを見つける。そのチケットで飛行機に乗り、タイラーを探した。

行く先々にはどこにもファイト・クラブがあり、クラブのメンバーたちはみんなタイラーのことを喋らない。誰も彼の顔を知らないと言う。

メンバーのひとりが言葉をこぼした。「先週の木曜日も来てた。秘密は守られているかって。あなたはダーデンさんです。」

混乱した僕はマーラに電話した。「何言ってるの、あなたはタイラー・ダーデンでしょ!?」

あらすじ~結~

なぜ自分と彼を混同していたのか。再び目の前に現れたタイラーは言った。

「おれたちは一人だ。お前が生き方を変えたいと願った。理想の自分を描いたのがタイラー(俺)だ。」

不眠症である「僕」が寝ている間にタイラーが夜働いていたのだ。マーラとやったのも僕。人格が入れ替わっていた。

メイヘム計画の首謀者、つまりテロリストのグループのリーダーは僕自身だった。

僕はマーラにも影響があると踏んで、マーラをバスに乗せて都会から遠くへ逃げるよう言った。

メイヘム計画は本部、つまりタイラーの指示なく動いている。

その計画とは、クレジットカード会社の本社を爆破する爆弾計画だった。

メイヘム計画を邪魔する者はたとえあなた(僕/タイラー)でも許さないとスペースモンキーに迫られる。

僕は単身で例のクレジットカード会社に入り込み、そのガレージに駐車されている車のトランクから大量の爆弾を発見する。

爆弾の赤や青や緑の配線を眺め、もう一人のタイラーの記憶を探って緑の配線を切った。爆弾のタイマーは止まった。

途端、タイラーが現れて殴り合いになる。もちろんだが、ガレージの監視カメラに写っているのは僕一人である。

階段から落ちて気を失い、目が覚めたら周りのビル景色がよく見える上階フロアの椅子に座っていた。目の前にはタイラー。

「あと3分で木っ端みじんだ。」

タイラーは僕の口に銃口を入れ、そう言った。ビルの下に目をやると、バスからマーラが引っ張り出されている。逃げきれなかったようだ。

僕は考えた。「これは妄想だ。俺が銃を持っている。」途端、タイラーの手から銃が消え、僕の手に握られた。

タイラーに向かって「僕は目を開いている。」と言って、銃を自分の口に入れ引き金を引いた。

目の前のタイラーは後頭部に血が滲み、その場で倒れた。僕はタイラーを制したのだ。

フロアのエレベーターに灯りが着き、(タイラーの)部下に連れられてマーラがやって来る。

マーラは血まみれの僕を見て心配した。銃弾は左の顎を貫通している。僕は部下たちを人払いした。

「これからは全て良くなる。」僕はマーラの手を取って言う。

直後、周囲のビルが全て爆発、倒壊していく。

僕はマーラの手を握って、その光景を眺めるのだった。

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